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第4章 高野 皐月
二人の子供にも恵まれて。
一度だけ、家族四人で撮った写真を、大阪のお父さんに、手紙で送ったら、お礼の返事と、お祝いの言葉と、子供にお小遣いを送ってくれた。
お父さんとの遣り取りは、その一度だけ。
大阪に行くことも、連絡を取ることもなかった。
向こうから連絡が来ることもなかった。

郁男兄ちゃんも敬三兄ちゃんも、家から離れて仕事しとったけど、二人とも私より遅うに結婚して。
敬三兄ちゃんは車で二時間くらいかかるところで住んどったけど、郁男兄ちゃんは子供が小学生になる頃に、お父ちゃんとお母ちゃんと住む、と言うて田舎に帰ってきた。
というてもまだ、働いとるから嫁さんと子供だけ置いて単身赴任やったけど。
従兄弟の中ではうちの子が年上で、みんなお兄ちゃん、お姉ちゃん、と慕うてくれとる。
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