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続・飼っていたペットに飼われています。
第32章 君の細い指の先には①(スイ目線)

サキと過ごせる最後の1日が始まった。厳密に言うとあと2日あるが、高木さんの予言通りなら18歳の誕生日を迎える少し前、侑斗の卒業式の前日に彼女はあの男に体と心を捧げる。
そうなったらなんとなく18歳になった彼女は目覚めず、最終日である翌日に目覚めて俺の前から逃げるように去っていくのではないかという予感がしていた。
だから、今日までの5日間はサキがくれたサヨナラをするための時間だったんだ。
間違った方法で愛をぶつけ、泣かせてばかりだった俺の心に君の屈託ない可愛い笑顔が残るように。
消えてしまう最後の瞬間も、瞼を閉じれば桜の花びらが舞うようなサキの美しい微笑みを思い出せるように。
前回異常な成長をしたままの体は元には戻らず、17歳のはずの彼女は再会したあの日と同じ19歳のサキと同じ見た目をしていた。
「サキ、いい加減起きて支度しないと。どんなことがあったっていいから最後に夕食だけ一緒に食べてくれないかな?」
目はとっくに覚めているはずなのに、寝たふりを続けたまま昼過ぎまで顔を背けて横になるサキに声を掛けた。
チラチラと俺の後ろ姿や横顔を隠し見ていたくせに、ようやく初めて目を合わせると彼女はひどく申し訳なさそうな顔をした。
彼女の脳内で起こっていることだから、匂いを確かめることはできないけど、薄々、侑斗と何かあったことはわかっている。
昨日の晩、彼女は少しだけ呻くような喘ぐような仕草を見せていた。
本来の成長スピードを狂わせて、心も身体もこれだけ大人にしてしまったら、俺のいない彼女の世界で起きるはずの出来事が本来より前倒しになったり、全く新しいことが起きても仕方ないのだろう。
それでも、俺はいま自分にできる事をやるだけだ。
そうなったらなんとなく18歳になった彼女は目覚めず、最終日である翌日に目覚めて俺の前から逃げるように去っていくのではないかという予感がしていた。
だから、今日までの5日間はサキがくれたサヨナラをするための時間だったんだ。
間違った方法で愛をぶつけ、泣かせてばかりだった俺の心に君の屈託ない可愛い笑顔が残るように。
消えてしまう最後の瞬間も、瞼を閉じれば桜の花びらが舞うようなサキの美しい微笑みを思い出せるように。
前回異常な成長をしたままの体は元には戻らず、17歳のはずの彼女は再会したあの日と同じ19歳のサキと同じ見た目をしていた。
「サキ、いい加減起きて支度しないと。どんなことがあったっていいから最後に夕食だけ一緒に食べてくれないかな?」
目はとっくに覚めているはずなのに、寝たふりを続けたまま昼過ぎまで顔を背けて横になるサキに声を掛けた。
チラチラと俺の後ろ姿や横顔を隠し見ていたくせに、ようやく初めて目を合わせると彼女はひどく申し訳なさそうな顔をした。
彼女の脳内で起こっていることだから、匂いを確かめることはできないけど、薄々、侑斗と何かあったことはわかっている。
昨日の晩、彼女は少しだけ呻くような喘ぐような仕草を見せていた。
本来の成長スピードを狂わせて、心も身体もこれだけ大人にしてしまったら、俺のいない彼女の世界で起きるはずの出来事が本来より前倒しになったり、全く新しいことが起きても仕方ないのだろう。
それでも、俺はいま自分にできる事をやるだけだ。

