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続・飼っていたペットに飼われています。
第36章 【裏】君の細い指の先には⑤(スイ目線)
 髪を乾かしてやり、朝日が登る頃に眠った彼女は夜になっても目覚めなくて、そのまま次の朝を迎える頃身体は22歳のサキに戻っていた。
 高木さん曰く、サキを取り戻すために必要な条件は18歳になる前に彼女が俺を思い出す事だった。
 俺の真剣な気持ちを伝えれば、あるいは身体を繋げればと思っていたけれど、彼女は最後まで俺を「さん」付けで呼んでいた。
 見た目はもう完全に元のサキなのに。
 しかし、左の項に顔を近づけ唇がつくほど間近で確認しても、そこには傷ひとつなかった。
 そのままその口を耳元まで運ぶ。
「…サキ。聞こえる?」
「……………んー?」
「俺のこと、わからない?」
「………んっ……。ゆ……と……くん……?」
 いま1番聞きたくない男の名前を呼びながら、ごろりと俺から身体を背けるように寝返りを打つサキに苛立ちが込み上げる。
「…おい。子供が出来れば、お前は俺を忘れないのか?」
 そういって、そのままガウンを脱がせて眠ったままの無抵抗の彼女を何度も激しく犯して子宮の中を自分で満たす。
 無駄なことだとわかっていてもやめられない。どうしても彼女を誰にも渡したくない。
 だけど…、どうしたらいいんだよ?

 次の朝日が登ってきた頃に名残惜しく自身を引き抜いてもう1度湯に浸かり、彼女の身体を腕の中に閉じ込めるようにして清めながらいっそこのまま起きないでくれと願っていたのに。
 柔らかな反発を感じて腕を解くと、この状況がよくわからないといった戸惑った顔でサキが俺を見上げる。
「……おはよう、サキ。」
「……………え? なんで私……? …きゃぁっ⁉」
 慌てて何も身に着けていない身体を手で隠しながら、俺から背を向ける。
「俺のこと…、覚えてない?」
「……………。」
「ここで約束したことも?」
「………スイ……、さん?」
「わかってんじゃん。」
「……ごめんなさい。」
「何が?」
「私、明日…、結婚するから。」
「……は?」
「…侑斗くんと、結婚するから。あの…、後で話すからとりあえず先に出てください。」
「何言ってんの? そんなの無理だよ?」
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