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続・飼っていたペットに飼われています。
第37章 君の細い指の先には⑥(スイ目線)

「…んっ。………んっ。………はぁ…っ。」
もう何度めかの息継ぎのタイミングで、俺の胸を押すと涙を浮かべた瞳の奥に強い意思を決めたような光が見えた。
「じゃあ、もう行かなきゃ。……ありがとう。」
そういって今度こそドアノブに右手を掛け、左手の先で項に触れて外に出ようとするサキの肩を大きく引いた。
「…おい!」
髪をかき分けて、その細い指先を引き離すとそこにあるはずのないものがあった。
「お前……、全部思い出したんだろ!」
「…し、知らない! 何も…覚えてないよ。」
「じゃあ何でここに俺の付けた傷があるんだ? 俺と出会ってなかったら、こんなものあるはずないんだよ! それなのに何で俺から逃げる?」
「……………。」
「何とかする。今度こそ絶対に守るから。行くなよ、サキ。」
俺の胸に倒れ込んでしがみつきながらも大きく横に首を降りながらサキはそれを拒んだ。
「駄目だよ…。あの人、普通じゃない。私何度逃げても捕まって脅されて洗脳されたもん。それに……。」
一瞬言葉に詰まったあと、サキが重く口にする。
「侑斗くんとはしてないけど、助けてくれた誰かわからない人と……しちゃったの。多分あの事務所で。スイだけの場所だったのに……。私、その人を受け入れてスイを裏切った。」
「……それは違うよ。あとで説明するけど、サキは俺を裏切ったりしてない。とにかくここから離れよう。」
もう何度めかの息継ぎのタイミングで、俺の胸を押すと涙を浮かべた瞳の奥に強い意思を決めたような光が見えた。
「じゃあ、もう行かなきゃ。……ありがとう。」
そういって今度こそドアノブに右手を掛け、左手の先で項に触れて外に出ようとするサキの肩を大きく引いた。
「…おい!」
髪をかき分けて、その細い指先を引き離すとそこにあるはずのないものがあった。
「お前……、全部思い出したんだろ!」
「…し、知らない! 何も…覚えてないよ。」
「じゃあ何でここに俺の付けた傷があるんだ? 俺と出会ってなかったら、こんなものあるはずないんだよ! それなのに何で俺から逃げる?」
「……………。」
「何とかする。今度こそ絶対に守るから。行くなよ、サキ。」
俺の胸に倒れ込んでしがみつきながらも大きく横に首を降りながらサキはそれを拒んだ。
「駄目だよ…。あの人、普通じゃない。私何度逃げても捕まって脅されて洗脳されたもん。それに……。」
一瞬言葉に詰まったあと、サキが重く口にする。
「侑斗くんとはしてないけど、助けてくれた誰かわからない人と……しちゃったの。多分あの事務所で。スイだけの場所だったのに……。私、その人を受け入れてスイを裏切った。」
「……それは違うよ。あとで説明するけど、サキは俺を裏切ったりしてない。とにかくここから離れよう。」

