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続・飼っていたペットに飼われています。
第37章 君の細い指の先には⑥(スイ目線)
 手早く荷物を纏めて部屋に従業員を呼び、会計を済ませるとサキを連れて案内された裏口から駐車場へ出る。
 ところが車の前には既にあの男がもたれるようにして待っていた。
「無駄だって言われなかった? 俺達から逃げるの。サキを返して。」
「お前……、侑斗か。」
「久しぶりだね? スイくん。やっぱりあの時とどめ刺しておけばよかったよ。俺、サキの幸せ考えてって言ったよね?」
「………………。」
「侑斗くん…。」
 膠着する状況の中、後ろに隠していたサキが前に出て話し始める。
「私、スイと一緒にいるのが1番の幸せなの。侑斗くんが私のことずっと大事にしてくれてたの知ってるけど、やっぱり私どうしてもスイのことが……、」
「サキ。それは勘違いだよ。俺はこうなってからヒトの運命が見えるようになったんだけど、サキの運命の男は俺だよ。子供も4人生まれて俺の奥さんやって皆から愛されて、家族全員に看取られながら幸せな最期を迎えるんだ。そいつとのことは何も見えないよ。」
「でも…!」
「そもそも、あんな宇宙人がやってるキャンプ場で幼い子を水辺に1人にしておくからこんなおかしなやつに狙われるんだ。前から思ってたけどサキの両親ってサキに似てお人好しの馬鹿だよね。ブレーキに細工したことも気づかないでサキが誰かに連れ去られるの見たって連絡したら、すぐに車で飛び出して…。ハハハッ!」  
「………どういう……こと…?」
 倒れそうになるサキを慌てて支える。
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