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続・飼っていたペットに飼われています。
第38章 先輩の秘密(スイ目線)
「…ろ! やめろ!」
 ずっと心の中で叫んでいた声が戻り、体が軽くなったのを感じると迷わず侑斗を突き飛ばしサキを自分の胸の中に取り戻す。

 直後に後ろからすごい勢いで走ってきた1台の車が止まると、中から出てきたのは意外な人物だった。
「あちゃー! また、スイくん絡みかー!」
「……サクラギさん? なんでここに?」
 胸ポケットからICレコーダーのような物を取り出したのは、ライブザファーストという音楽番組で共演している先輩アーティスト、サクラギトオルその人だった。
「まあまあ、話はあとで。……よし、回収。」
 そのレコーダーのような物をスライドさせて光を当てると侑斗の姿が瞬時にそこに吸い込まれて消えた。
 何が起こっているのかわからず戸惑う俺達に向き直って説明する。
「うーん、何ていうか俺はこっちでいう警察みたいな仕事してるんだよね。本業は。地球にやってきた異星人が不自然じゃないか、悪いことをしてないかを確認して取り締まってるの。さっきのコはずっと前から追ってたんだけどなかなか捕まらなかったから、派手なことして止まってくれて助かったよ。人間に人間とか異星人食べさせるわ、不正に人の時間巻き戻すわ、空間塞ぐわ…、スイくんの星のコたちはみんな問題児なの? 勿論、君を含めて。…おじさん疲れちゃったよ。」
「はぁ…。それは知らないっすけど。とりあえず助かりました。」
「あの…っ! サクラギさん!」
 こんな姿を知り合いに見られて不味いと思ったのか、慌てて俺の胸から離れてサキが幾つか質問をする。
「侑斗くん達はどうなったんですか? それに、地球にいるのが不自然って、スイはどうなんですか? もしかしてスイのことも…。」
「サキちゃんそのままで大丈夫よ。全部わかってるから。でも、とりあえず首元のリボン結び直してね。俺、スイくんに殺されそう。」
 背中を向けたサクラギをつい睨みつけながら半分以上溢れさせているサキの白く柔らかい胸元を仕舞ってキツめにリボンを結ぶと、ジャケットをしっかり着せ直す。
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