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続・飼っていたペットに飼われています。
第38章 先輩の秘密(スイ目線)
 肩をすくませる俺を見て、サクラギは笑いながら説明する。
「サキちゃんとも何回も会ってるんだけどね。色々あっての今の2人だから、今度教えてあげるよ。とにかくスイくんは人間との違いを元々持っていた才能とか音楽センスで自然に埋めてしまった唯一の異星人なんだ。地球に移住したやつらで知らないやつはいないし、スイくんを見にどんどん他の星から色んなやつが来てるから俺の仕事が増えてなかなか厄介だよ…。まあ、そのために俺もこっちでは君達に近い立場を手に入れた訳なんだけどね。こんなに楽しい音楽に出会わせてもらって今では感謝してるよ。」
 出会ったときから只者じゃないと思っていたサクラギの正体に納得がいった。でも、それより今は肝心なことが気になる。
「……確かに最近ファンの中にやたら人間じゃないやつらの匂いが混ざってきてるとは思ってたけど、そんな面倒くさいことになってたのか。…で、そんなことより侑斗はどうなるんです?」
「ああ、ごめんごめん。彼には元の体に戻す代わりにサキちゃんの記憶は全部消して書き換えさせてもらった。彼のご両親とかその周囲の人もね。ただ、多分サキちゃんともう1度会ってしまったらまた惹かれてしまうのは避けられないと思うからくれぐれも気をつけてね。とりあえずは普通に人間として真っ当に生きられると思うよ。」
「はぁ…よかった! ありがとうございます、サクラギさん。」
 危うく自分の人生を台無しにされかけたうえ、そもそも親の敵であるクズの無事を知って、心から安堵した表情を浮かべるサキの心が理解できない。
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