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続・飼っていたペットに飼われています。
第40章 【微裏】欠けた心を埋めることは容易じゃない②(サキ目線)
 座ったスイの前に明らかに作りすぎたおかずを並べながら聞いてみる。
「おかゆにする? 普通のご飯もあるけど…。」
「いや、あのさ。こんな鉄分だらけの料理ばっか出されても意味ないんじゃない? 何回も言ってるけど人間と違うんだから。…まあ、嬉しいけど。せっかく作ってくれたならどっちも食べるよ。」
「よかった…はい。」
 とりあえずおかゆを出しながら、黙々と食べてくれるスイを見て、また安堵する。
「ごめんね…スイ。」
「別にいいよ。はい、おかわり。」
「うん。ねえ…、いつから寝てなかったの? スイの寝顔初めて見た。」
「うーん、サキが俺のこと忘れて小さくなってからかな。このまま消えそうで不安で眠れなかった。」
「……………ごめんね。」
「もういいって。ちゃんと帰ってきてくれたんだから。」
「ごめんなさい…。」
「しつこいよ。俺どれくらい寝てた?」
「まだ一晩眠っただけ。だから食べたらまた寝て?」
「いや、もう大丈夫だって。こんな無駄に鉄分摂らされたし。」
「全然大丈夫じゃない! それに……スイの血飲んだとき、普通に鉄の味したんだけどな。」
「……飲んだの?」
「…いや! あの、ちょっと手に付いたの舐めただけなの! あの…、えっと…、気持ち悪いことしてごめんなさい…。」
 本当は昨日、タオルで押さえても止まる気配のないスイの傷跡を塞ぐように口で塞いで溢れ出るその血が止まるまで飲んでしまった。いま考えるとなんて無気味なことしちゃったんだろう。きっとスイも呆れて引いてるだろうなと思うと顔も見れない。
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