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続・飼っていたペットに飼われています。
第44章 太陽のようだと君は言うけれど(スイ目線)
 元々、互いに気持ちを通じ合わせて、俺と共に暮らすようになってからサキは明るくなると同時に、元々持っていた可愛さも美しさも人懐っこさもどんどん増して魅力的になっていった。
 自分が彼氏になったから贔屓目になったのかと思ったが、共に仕事をする度にスタッフや共演者から口説かれる回数がどんどん増える姿は目に余るものがあった。
 一度家で嫉妬がてら本人にそれを伝えると、
「……えっ? マミちゃんのヘアメイクの練習モデルやってるうちに、お化粧とか上手くなったからかな? でも、普段は前に安田さんに教わった通りにしかやってないんだけど…。ファンデーションとかもそろそろ塗ったほうがいいのかなって思ってたくらいで。」
 と明らかに狼狽えてマネージャーから俺だけの女の顔になった。
「いい、ごちゃごちゃやらなくても充分綺麗なんだから。それにあんまり化粧のニオイするとサキの香りがわからなくなるだろ。」
「え? いま、スイ…。私の事き、きれい、って言ってくれた?」
「なんだよ、綺麗じゃん。前は可愛い方が強かったのに何か嫌だ。」
「…そっか。可愛い方が好きなんだね。今日ゲストで来てた可愛い学生アイドルグループさん達に抱きつかれてもなんか嬉しそうだったもんね。」
「は? 顔なんかいちいち見てないよ。サキが仲良くしろっていうからしてるだけ。無理に振り払って前みたいに怒って帰らせたら大変だろ?」
「別に抱きしめかえす必要まではないと思うけど! まあ、週刊誌にさえ撮られなければご自由にどうぞ? ご飯作っておくから先にお風呂入って。」
「は? なんで一緒に入ってくれないの? 約束は?」
「明日も早いからまた今度。ねえ、いいから早く入って寝なきゃ。私はスイと違ってもう眠いの。どうせ普通の平凡な人間だもん…。」 
 これに俺がカチンと来て喧嘩になって、結局泣いて嫌がる彼女を強引に抱いて興奮してるいつもの自分が嫌になったから、もうあんまり口に出して褒めなくなったけど。
 まあ、そんな嫌味を言えるくらい大人になった彼女は男のかわし方もとっくに上手くなった。
 前のように後ろ暗い気持ちのある男にネチネチと好かれて危ない目に遭うよりも、ただの女好きだろうというヤツに声を掛けられる方がマシだと考えて我慢できていたのに。
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