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続・飼っていたペットに飼われています。
第17章 大人になった君と狂った歯車。②(スイ目線)

2週間ぶりに1人で事務所へ顔を出すと、サキは何かを真剣に聞いていたヘッドフォンを慌てて外し、躊躇いがちに俺に声をかける。
「…スイ…。」
「………。」
「…久しぶり。あの…、元気だった?」
顔が見たくて耐えられなくなって来たというのに、プライドが邪魔をして俺は何も答えられなかった。
サキは気にせずゆっくり話し続ける。
「そういえば…、裕美さんから聞いた? Aquaに新しいタレントさん、入れるかもしれないって。これまでは、応募がきても誰も採るつもりなかったけど、その人は本当にすごくて、歌もルックスもいいって裕美さんが言ってたの。他に人気のあるタレントさんが入れば、スイ達に掛かる負担も減るし、私もいいなって。明日私が最終面接するから、デモテープ聞いてたんだけど、本当にすごく上手だよ。ピアノの弾き語りで…。だけど…、なんか、ちょっとだけ気になることがあって。スイも聞いてみる?」
「………。」
「ごめん…、怒ってるよね。」
「………。」
「私、一方的だったよね。テレビとかに出なくたって、DEEP BLUEは自分たちのスタイルで十分活動してたのに、勝手に気持ち押し付けて。頼まれてもないのに、1人でどんどん営業かけて。ごめんね…。反省してる…。」
「………。」
「私がDEEP BLUEと、その周りの人達を大切に思うようになったのは、そこがスイの居場所で、スイを大事に思ってくれて、スイも大事にしてるかけがえの無いものだからだよ。…前、スイがお父さんとお母さんのこと今でも考えてくれてて、同じ名字にしたって言ってくれたの、すごく嬉しかった。たぶん、そういう気持ちと一緒だと思うの。」
「………。」
「いまはまだ、私の事許せないかもしれないけど、私すごくスイに会いたかった。今日、スイの顔見れてやっぱり…、何よりも1番"だいすき"って思った。だからまた、顔見せてくれたら嬉しいな。」
「………。」
「ごめん、何か事務所に用があって来たんだよね。私、ちょっと外に出てるからその間に済ませていいよ。またね。」
そういってサキはパタパタと俺の横を小走りで駆けて出ていく。
「…スイ…。」
「………。」
「…久しぶり。あの…、元気だった?」
顔が見たくて耐えられなくなって来たというのに、プライドが邪魔をして俺は何も答えられなかった。
サキは気にせずゆっくり話し続ける。
「そういえば…、裕美さんから聞いた? Aquaに新しいタレントさん、入れるかもしれないって。これまでは、応募がきても誰も採るつもりなかったけど、その人は本当にすごくて、歌もルックスもいいって裕美さんが言ってたの。他に人気のあるタレントさんが入れば、スイ達に掛かる負担も減るし、私もいいなって。明日私が最終面接するから、デモテープ聞いてたんだけど、本当にすごく上手だよ。ピアノの弾き語りで…。だけど…、なんか、ちょっとだけ気になることがあって。スイも聞いてみる?」
「………。」
「ごめん…、怒ってるよね。」
「………。」
「私、一方的だったよね。テレビとかに出なくたって、DEEP BLUEは自分たちのスタイルで十分活動してたのに、勝手に気持ち押し付けて。頼まれてもないのに、1人でどんどん営業かけて。ごめんね…。反省してる…。」
「………。」
「私がDEEP BLUEと、その周りの人達を大切に思うようになったのは、そこがスイの居場所で、スイを大事に思ってくれて、スイも大事にしてるかけがえの無いものだからだよ。…前、スイがお父さんとお母さんのこと今でも考えてくれてて、同じ名字にしたって言ってくれたの、すごく嬉しかった。たぶん、そういう気持ちと一緒だと思うの。」
「………。」
「いまはまだ、私の事許せないかもしれないけど、私すごくスイに会いたかった。今日、スイの顔見れてやっぱり…、何よりも1番"だいすき"って思った。だからまた、顔見せてくれたら嬉しいな。」
「………。」
「ごめん、何か事務所に用があって来たんだよね。私、ちょっと外に出てるからその間に済ませていいよ。またね。」
そういってサキはパタパタと俺の横を小走りで駆けて出ていく。

