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続・飼っていたペットに飼われています。
第23章 君と全てをやり直したい。③(スイ目線)
 電話を切ってベッドに腰掛け、これまでよりも更に柔らかく、細くなったサキの髪を手で漉きながら無垢な彼女の寝顔を見て、無数の後悔が頭の中を駆け巡る。

 こんなことになったのは、そもそも俺の自業自得だ。
 俺が昨日、素直に謝って一緒に家に帰っていれば。
 彼女があの男のデモテープを聞いて感じていた違和感を共有することが出来れば。
 俺が彼女を縛ろうとしなければ、あの日アパートの前で再会しなければ、ヒトになりたいと思わなければ………。
 そしてやっぱり、「俺と出会っていなかったら、こんな辛い目に遭わせることはなかった」というただ一点に繋がっていく。

 今でこそ明るくなったが彼女はとても警戒心が強いんだ。特に両親を亡くした直後の深い悲しみを癒やす暇もなく、新しい環境で嫌われないことだけを必死で考えていたサキが初対面の知らない男に心を開くことなんてまず難しいだろう。
 それも、口の中には恐ろしい舌がある目付きの悪い大男の部屋に気づいたら連れ込まれてるなんて、目覚めた途端に震えて逃げ出してしまうかもしれない。

 自分が消えてしまうことなんて全く怖くはないんだ。怖いのはサキをこれ以上傷つけたり悲しませてしまうことだけ。
 赤い縄の痕や、彼女の項に付けたあの噛み傷も消えていることに気づいて新たな考えが生まれる。

 いっそ、これはチャンスなのかもしれない。
 サキに傷をつけず、穏やかで幸せな人生を送らせることができる最後のチャンス。
 だとしたら、俺がこの7日間で出来ることはなんだ?
 俺が与えられることで、彼女がずっと欲しがっていたものは…。

 翌日、長い眠りから目を覚ました少女を驚かせないよう口をマスクで隠し、優しく微笑みながら声をかけた。

「おはよう、サキ。怖がらないで? 俺は君の………。」
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