この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
続・飼っていたペットに飼われています。
第25章 春の風はいつも君に優しい。②(スイ目線)

悩みながらもデニムのショートパンツにギンガムチェックのチュニックを選び、スニーカーを履いたサキにスプリングコートを着せて家を出た。
自分の仕事柄、こんな風に人の多いところにサキと2人で来るなんて初めてだ。ましてや手を繋いでなんて考えられない。
玄関から出てすぐに、
「はぐれちゃうから…、いい?」
とサキは細い指を俺の人差し指に絡めた。しっかり握り直すと俺の手の中に収まってしまうほど小さな温もりを感じて、本当は大人になった彼女もこうして歩きたかったのかな、などと考えてしまう。
サキが乗りたいと言ったアトラクションから順番に体験していき、最後に観覧車を選んで夕日に照らされた彼女は楽しそうに今日の感想を話した。
「びっくりした! 私もお母さん達と来て以来だから遊園地久しぶりだけど、スイさん何も乗ったことないって言うんだもん。ソフトクリームも今日初めて食べたんでしょ?」
「うん。甘くて冷たかったね。サキ、お腹痛くしたりしてない?」
「あー! また、子供扱いした! もう…! 私、学校では大人っぽいって皆に言われるんだよ? こんなにはしゃいじゃうのスイさんといる時だけだし。」
さっき土産物屋で買ってほしいと強請ってきた、りんごの形のリップクリームの蓋を開けて小指で塗りながらムスッとしている。
「…そんなに、急いで大人にならなくてもいいよ。」
大人になったら、君は俺を忘れてしまうから。
「やだ! 今すぐ大人になりたい!」
「…どうしても?」
「どうしても!」
「わかった。」
スッと腰をあげて向かい側に座ったサキの細い顎をクイッと上げると、透き通るように艶めいて俺を誘う小さな唇を奪った。
りんごの甘い香りと愛しい彼女の香りが鼻を心地よくくすぐって、そのままぷっくり膨らんだ下唇を貪るように強く吸ってしまう。
ハッとして顔を離した時には、サキの目は潤んでいて早打ちする心臓の音が聞こえた。
「……はぁ…っ。はぁ…。…スイさん……。」
「…ごめん。…そのリップ、美味しそうだったから。」
「………ぅん…。」
自分の仕事柄、こんな風に人の多いところにサキと2人で来るなんて初めてだ。ましてや手を繋いでなんて考えられない。
玄関から出てすぐに、
「はぐれちゃうから…、いい?」
とサキは細い指を俺の人差し指に絡めた。しっかり握り直すと俺の手の中に収まってしまうほど小さな温もりを感じて、本当は大人になった彼女もこうして歩きたかったのかな、などと考えてしまう。
サキが乗りたいと言ったアトラクションから順番に体験していき、最後に観覧車を選んで夕日に照らされた彼女は楽しそうに今日の感想を話した。
「びっくりした! 私もお母さん達と来て以来だから遊園地久しぶりだけど、スイさん何も乗ったことないって言うんだもん。ソフトクリームも今日初めて食べたんでしょ?」
「うん。甘くて冷たかったね。サキ、お腹痛くしたりしてない?」
「あー! また、子供扱いした! もう…! 私、学校では大人っぽいって皆に言われるんだよ? こんなにはしゃいじゃうのスイさんといる時だけだし。」
さっき土産物屋で買ってほしいと強請ってきた、りんごの形のリップクリームの蓋を開けて小指で塗りながらムスッとしている。
「…そんなに、急いで大人にならなくてもいいよ。」
大人になったら、君は俺を忘れてしまうから。
「やだ! 今すぐ大人になりたい!」
「…どうしても?」
「どうしても!」
「わかった。」
スッと腰をあげて向かい側に座ったサキの細い顎をクイッと上げると、透き通るように艶めいて俺を誘う小さな唇を奪った。
りんごの甘い香りと愛しい彼女の香りが鼻を心地よくくすぐって、そのままぷっくり膨らんだ下唇を貪るように強く吸ってしまう。
ハッとして顔を離した時には、サキの目は潤んでいて早打ちする心臓の音が聞こえた。
「……はぁ…っ。はぁ…。…スイさん……。」
「…ごめん。…そのリップ、美味しそうだったから。」
「………ぅん…。」

