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続・飼っていたペットに飼われています。
第25章 春の風はいつも君に優しい。②(スイ目線)

胸がいっぱいで夕食も入りそうにないというのでそのまま無言で家まで帰った。
観覧車から降りた直後はまた傷つけてしまったと思ったと後悔していたが、しばらくするとそっと俺の手を握って離さないので怒っているわけではないんだろう。
風呂に入って髪も乾かさず俯いてぼーっとしているので、風邪を引くからとドライヤーを持ってきて後ろから優しく乾かしたあと布団に入るように促す。
立ち上がったサキが俯き加減にぽつりと
「スイさん…、さっきの、して?」
と言うので、前日にしたように額に軽くキスをすると、キッとこちらを睨むようにしてようやく俺と目を合わせる。
「…違う。"さっき"、の。」
「さっきのは…、魔が差した俺が悪かった。もうしない。」
「なんで?」
「普通、兄妹でこういうことはしないの。血が繋がっていないとはいえ俺はサキのお兄ちゃんだから。ごめん、もう忘れて寝て。」
そう諭すと無言で布団に入り、俺に背を向けたままやがて小さな寝息が聞こえ始める。
14歳の彼女は着実に大人への階段を上がり始めていた。
観覧車から降りた直後はまた傷つけてしまったと思ったと後悔していたが、しばらくするとそっと俺の手を握って離さないので怒っているわけではないんだろう。
風呂に入って髪も乾かさず俯いてぼーっとしているので、風邪を引くからとドライヤーを持ってきて後ろから優しく乾かしたあと布団に入るように促す。
立ち上がったサキが俯き加減にぽつりと
「スイさん…、さっきの、して?」
と言うので、前日にしたように額に軽くキスをすると、キッとこちらを睨むようにしてようやく俺と目を合わせる。
「…違う。"さっき"、の。」
「さっきのは…、魔が差した俺が悪かった。もうしない。」
「なんで?」
「普通、兄妹でこういうことはしないの。血が繋がっていないとはいえ俺はサキのお兄ちゃんだから。ごめん、もう忘れて寝て。」
そう諭すと無言で布団に入り、俺に背を向けたままやがて小さな寝息が聞こえ始める。
14歳の彼女は着実に大人への階段を上がり始めていた。

