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続・飼っていたペットに飼われています。
第26章 春の風はいつも君に優しい。③(スイ目線)
「…スイさん! サキのリップクリーム知らない⁉」
 15歳になった彼女がガバッと布団から起き上がるなり、そう叫んだので苦笑しながら答える。
「ふっ…。おはよう、サキ。ここにちゃんとあるよ。」
 手に取って渡してやると、可愛いりんごを抱きしめるように頬ずりしながら「よかったぁ〜!」と一息ついたあと、今度は俺の下腹部辺りに腕を回してギュッとしながら瞳を潤ませ、
「…スイさん…。会いたかったぁ…。」
 と上目遣いで言う。
 不意打ちの可愛すぎる攻撃にドクンと胸が大きく高鳴った。
 正直、このまま押し倒してしまいたい気持ちになるのを強く抱きしめ返して誤魔化しながら優しく返事をする。
「…っ! …俺も、サキ。パンケーキ、苺とバナナどっちがいい?」
「…どっちも。」
「チョコソースは? あとシチューも出来てる。」
「かけて? スイさんのシチュー大好き。…あぁ〜〜。本当に本当にスイさんだぁ〜! サキのスイさん。…好き。…………すき、すき、すき…。」
「‼ ちょ…っ、そこ頭ぐりぐりすんなって! …もう、わかったから。今日はどこ行きたい?」
「ずっと考えてたんだけど、水族館がいいなぁって。」
「いいよ。服、そこのハンガーに掛けてあるから。早く顔洗って着替えてきて?」
「はぁい。」
 パタン。と脱衣所に彼女が籠もったあと興奮した前の欲をしゃがみこんで隠す。
 …うわ! 超ヤべぇ! 超かわいい。あいつまだ子供の顔の癖にあんな柔らかい胸ノーブラで股間に押し付けやがって…!
「スイさーん! …あれ? どうしたの? 大丈夫?」
「……大丈夫。どうした?」
「ねえ、スイさんはどれが1番好き?」
 サキは脱衣所のドアの前で3着を代わるがわる体に当てて見せる。
「どれも似合うよ。でも、俺のイメージは白のワンピースに青い花柄が入ったやつ。それで上にレモンイエローのカーディガン羽織って。」
「うん! 私もこれが1番いいなって思ってたの。着替えてくるね!」
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