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愛と欲と嘘
第2章 欲





体を起こした彼は未だに虚ろな瞳で私を睨み付け、力強く手首を掴んできた。


その力に抗える術など私には無くて、なすがまま引き寄せられカーペットの上に押し倒される。




「……」


「………鈍感」



キスの前にそんな言葉が聞こえた。

私が鈍感?
そんな訳無いでしょ失礼ね。



と言うか、鈍感なのはあんたの方よ。
私がどんな気持ちで身代わりになっているのか、これっぽっちも知らないクセに。





「………んっ、は………、」


「……口開けろ」




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