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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
「はい、秘境の温泉巡りですよね。
秘境といえば、まさに秘境なんですが…
温泉と景色と猟師料理だけが自慢というだけで…」

「それで十分じゃない。」

「元々、猟場の休憩小屋だったのですが、たまたま先代が温泉を掘り当てまして…
それから宿を始めたんですよ。」

「へぇ…凄いな。」

「こちらになります。
今、お茶の支度をしますね。」

「いや、すぐ風呂浴びて食事にするからいいよ。」

「左様でございますか…
では、予定通りのお食事時間でよろしいでしょうか?」

「ああ、猪、よろしくね。」

「はい、かしこまりました。」

女将が正座して頭を下げたまま、後ろに下がり部屋を出て行った。

「ハルト…なんか緊張しちゃいますね。」

「それが商売なんだから、気にする必要ないんだよ。
急いで風呂入るよ。」

「は、はいっ」

ハルトは浴衣やタオルを探し、部屋の奥へ行った。

「ハルト…待って…ワタシの」

「もう持ったから。」

縁側を歩くと、お風呂があった。

「源泉掛け流しなんだって」

「何でしょうそれは…」

ハルトはもう裸で、アタシを脱がせにきた。

「沸かし直したり、使い回しじゃなく、本物使い放題ってことだ。」


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