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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
二人の泡は流れていくのに、ワタシの燻った体は洗い流されることなく終わった。

「可愛い浴衣だね。」

淡いピンクの地に藤の花があしらわれていた。
ハルトが広げて袖を通すように促す。

「ちょっと待っててください。」

下着を着けようとした。

「着物って素肌に身につけるもんだよ。
これが4つ目。そのまま着て。」

ハルトはすでに袖だけ通して、ワタシの着物を持っていた。口にくわえた帯が垂れていて、その仕草に色気を感じる。

ふとしたことに感じる自分がおかしいのだろうか。

ハルトに背中を向けて俯いて腕を通す。

「着せてやるから、じっとしてな。」

「はい。」
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