パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第24章 step24十八段目…春

口の中で暴れる彼らをそのまま呑み込むのは抵抗があった。

｢すげぇ元気だろ？俺のもこのくらい元気かな。｣

ｸﾞﾌｯ…

とんでもないことを言うハルトに、噎せながら呑み込んでしまった。

｢ﾋﾟｯﾁﾋﾟﾁだろ？｣

ﾝｸﾞ…はい…

女将は素知らぬ顔で次の料理を膳に乗せていた。

｢次は良く噛んで味わいな。｣

ハルトも一向に気にしていない。

噛み殺すと思うと残酷なのだが、ハルトの絶対という視線に負けて匙に掬う。

ﾋﾟﾁﾋﾟﾁと跳ねるままの稚魚を噛みしめると口内に甘味が広がった。

｢甘いですね。｣

｢だろ？｣

でも、どうしても可哀想に思ってしまう。

｢踊り食いが苦手なら、茶碗蒸しにしますが…｣

｢茶碗蒸し？｣

ワタシよりもハルトが反応する。

｢食っちゃった…｣

｢大丈夫ですよ。お二人分ご用意しますから。｣

｢茶碗蒸しってこのまま卵入れて蒸しちゃうの？｣

｢左様でございます。稚魚の旨味をそのまま封じ込める感じになりますよ。｣

｢じゃあそれで…｣

ハルトはワタシのお椀を取り上げ女将に差し出した。

｢では、鮎のお造りをお召し上がりください。
お醤油と酢味噌と両方で味わってくださいな。｣