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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
「花咲か爺と同じ始まりだな。」

「日本の昔話は結構似た感じですね。
お爺さんは余った米を庭に撒き、雀たちに分け与えていました。
ある時お爺さんがいない間に、雀が炊事場まで入り込み、土間に落ちていた米を食べていました。
それを見たお婆さんは怒り、雀を捕まえて舌を切ってしまいました。」

「ひでぇ婆さんだな。」

「見つけたお爺さんは介抱してやりました。」

「そこから恩返しの始まりって訳だな。」

「そうですね。お爺さんが山道で迷った時、ある宿にたどり着きます。」

「それが…雀の…お宿って…ことか」

また、ハルトがワタシの背中を撫でる手がゆっくりになっていく。

「はい、お爺さんは宿に助けを求めます。そして助けた雀にたいそうなもてなしを受けるのです。」

「ルリ…オチは?」

「ん…帰りにお土産の大小のつづらを選ぶとき、お爺さんは小さいのを選び、小判や宝石が入ってて」

「婆さんも…いくんだろ?」

「はい、大きいのを選んで蛇や虫が出てきます。」

「めでたしめでたし…
ルリ…もう…寝るよ…もっとこっちおいで…」

キスされてギュウッと抱き締められたと思ったら、そのまま力が抜けてハルトの寝息が聞こえ始めた。
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