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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
ああ、今ハルトどんな顔してるんだろう。
ワタシはハルトの肩に顎を乗せたことを後悔した。

「また、旅行しような。」

「はい。」

廊下で女将さんと会い、無事神隠し談義をして、部屋に戻る。

「さぁ、生筍…」

ハルトは、ワタシに目隠しをして、後ろ手に縛り、座布団に座らせた。

「じゃあ目星をつけて掘りあててね。」

耳元で囁き、座布団をくるくる回して離れていった。

何だかワタシが欲しくてたまらないからゲームしてあげる、といった設定に疑問を感じたけど、
結局はハルトがして欲しいんだ。
と割り切ることにした。

注文をつけられ、膝で歩かなきゃならないワタシは、手でバランスを取れないので用心深く進んだ。

物音がしないのでハルトはじっとしてくれているのだろう。

ワタシはハルトを探す。
でも、闇雲に探すのは大変だ。

「ポチ、ハルトの生筍はどこ?
教えておくれ?
ここ掘れワンワン、ここ掘れワンワン。」

あははっ…あはははっ…

声を頼りにハルトにたどり着いた。

「あははっ…ルリずるいよ。」

「どうして?ルール違反してないですよ?さて、生筍は?」

ハルトは諦めたのか、浴衣を開いて誘導してくれた。
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