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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
昨晩の庭で感じた頼もしさを思い出しながら着いて行った。

「おっ、ちょうどいいベンチがある。」

倒れた木を積んであるのか、わざと切られて置かれているのか、ちょうどいいベンチになっていた。

「ルリ、座ったら懐中電灯を消して目を瞑って?」

先に座るように促され、目を閉じると、ハルトが隣に座り肩に手を回される。

数分間黙ったまま目を閉じていた。

「そろそろいいかな、ルリ、顔を上げて目を開けてごらん。」

「わあぁ…綺麗…沢山…星が…こんなに沢山…あるの?」

「本当だ。見えないだけで、星ってこんなに沢山あるんだな。」

感動して涙が出てきた。
満天の星…
きっとこういうことを言うのだろう。

ハルトの手に力が入り、グッと近づけられた。

それ以上、この星空に何と言葉を掛けたらいいのかわからず黙って見つめていた。

ハルトも同じようで二人でずっと星を眺めていた。

ハルトの手が宥めるようにワタシの肩を擦る。

きっと、自分の興奮を宥めているのだろう。
ワタシも言葉もなくハルトに寄りかかり、肩に頭を乗せた。

それからしばらく続いた無言の時をハルトが遮る。


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