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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
「ふうぅ〜、このままデザート食べれそう?」

「はい。」

「じゃあ、女将さんお願いします。」

お膳の周りを全て片付けて女将さんが下がる。

いつもならすぐにお口直しが出るのに…

「お待たせしました。」

お膳に乗せられたのは銀色のドーム。

「ルリが開けて…」

絶対開けたがるハルトが譲ってくれる。

ちょっと不思議に思いながらもフードカバーを上げた。

「え…これ…嘘…」

「「ハッピーバースデー♪」」

「えっワタシに?」

「そうだろ?ルリしかいないだろ?」

銀色ドームの中には小さなホールケーキ、桜色で桜の花がちりばめられ、赤い実が寄り添うように飾られていた。

「可愛い…素敵…女将さんありがとう。」

「いえいえ、ハルトさんにお礼は言ってくださいな。
リクエストされたのもハルトさんですし、この山イチゴ、ラズベリーを採りにいってくれたんですよ。山に入って…
トゲで引っ掻き傷までこしらえて…」

ハルトが照れくさそうに頬の傷を撫でる。

「は、ハルト…ありがとう。」

「忍者になってチョチョイのチョイさ。」

「じゃあ、ワタシが草木染めをしてる間に?」


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