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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
「あらあらお二人とも大事にしてくださるお気持ちはわかりますが、50は産まれるのよ?片手でどんどん掴まなきゃ間に合わなくなるわよ。」

女将さんが微笑みながら通りすぎた。

「あっ、あっ、ルリの上の棚の産まれる産まれる。」

ハルトの声に驚いて見上げると、ちょうど卵が白い殻が見え出しているところだった。

「ルリ、キャッチ、キャッチ」

卵の下にそっと手を差し出す。ゆっくりと現れた卵が真ん中を過ぎるとポトンと勢いよく飛び出した。

「あっ、温かい、湿ってる。」

「ちゃんとスムーズに出るよう潤滑油のようなものが出るんですよ。」

ハルトが近づいて見に着たと思ったら、

「ルリだって出るじゃん、潤滑油…ルリの場合は入れる為だけどね。」

いやらしい言葉を囁いた。

ちょっと睨むとふいっと逃げていき、

「俺、あっちの列に行こう。ルリにキャッチとられちゃう。」

と居なくなった。

そんなことをしなくても、卵はあちこちで転がり始める。
手早く落ちたものを集めて待機していた。

「ルリ〜、こっちの集めるの手伝って…」

見るとハルトはあちこち追いかけ回してまだ一つもキャッチしていないという。

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