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***堕散る(おちる)***
第25章 step25 十九段目…卵
背にしている机側に置くとようやくこちらを向いてくれた。
「母と、昨日バースデーケーキを食べました。」
「うん…」
「進路のことを訊かれて、働きたいと言ったんですけど…」
「反対された?」
「反対までではないですが、進学しないのは父親がいない、母1人だから遠慮してるのではないかと、
母自身が学歴や資格がないことで苦労したから、
もう一度考え直すようにと…」
「そっか、普通の親なら心配するよな。説明に行こうか?」
「まだいいです。学校に話すのが夏休み前なのでそれくらいまでには話せれば…」
「そう?俺はいつでもいいよ。」
「はい、でもまだ大丈夫です。」
ワタシは、仕事のためというより、ハルトと一緒にいたいということが母に知れるのが、母に悪いと思ったし、母にハルトとの付き合いを反対されたら困ると考えていた。
ハルトが母への説明をどう考えているのか、
何をどう説明するのかが知りたかったけど、何だか聞ける雰囲気ではなかった。
そして、ハルトが説明すると言ったら、ワタシが悩む必要などないのだとも思ったのだ。
とにかく今ハルトの頭の中は卵のことでいっぱいだ。
「母と、昨日バースデーケーキを食べました。」
「うん…」
「進路のことを訊かれて、働きたいと言ったんですけど…」
「反対された?」
「反対までではないですが、進学しないのは父親がいない、母1人だから遠慮してるのではないかと、
母自身が学歴や資格がないことで苦労したから、
もう一度考え直すようにと…」
「そっか、普通の親なら心配するよな。説明に行こうか?」
「まだいいです。学校に話すのが夏休み前なのでそれくらいまでには話せれば…」
「そう?俺はいつでもいいよ。」
「はい、でもまだ大丈夫です。」
ワタシは、仕事のためというより、ハルトと一緒にいたいということが母に知れるのが、母に悪いと思ったし、母にハルトとの付き合いを反対されたら困ると考えていた。
ハルトが母への説明をどう考えているのか、
何をどう説明するのかが知りたかったけど、何だか聞ける雰囲気ではなかった。
そして、ハルトが説明すると言ったら、ワタシが悩む必要などないのだとも思ったのだ。
とにかく今ハルトの頭の中は卵のことでいっぱいだ。