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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
「美味しい。」

「毎日作れば上手くなるさ。おっ、キャベツが一番合うかなぁ。」

「他には何で作ったんですか?」

「森みたいなブロなんとか、と、アス何とかとほうれん草。」

「ブロッコリーとアスパラガスですね。」

「うん、たぶんそれ。」

「美味しい、ハルト、パスタ屋さんにもなれますね。」

「だから、前も言ったけど、もう俺は仕事あるの。
それにカルボナーラ専門店てどうなの?
ぴよちゃん、おかしいだろ?」

いつの間にかテーブルに連れて来られたぴよちゃん…保温器入り…にハルトは話しかけていた。

可笑しくてまた笑いそうたったけど、堪えてパスタを食べる。

いつもタバコとお酒が夕飯代わり…が、ハルトの印象だから、ぴよちゃんを連れて帰ってきて良かったと思う。

でも、卵に名前をつけて話しかけるなんて、女将さんじゃないけど、いいパパになりそう。

そしてぴよちゃんがちゃんと孵化してくれることを願った。

食器を洗い珈琲を淹れる。

ハルトはもう保温器からぴよちゃんを出して両手で温めていた。

「お前だいぶ重くなったよな〜」

「え…旅行いってから太っちゃったかな…」

「は?ルリじゃなくてぴよちゃんだよ。」
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