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***堕散る(おちる)***
第27章 step27 二十一段目…初夏

「しかし?」

「個人的なお願いが、いや、これはどうしても譲れないお願いなのですが…

ルリとの交際は引き続き許してください。」

「え…」

「とは言っても交際していたことすらご存知なかったようですが、
放課後、事務所、受託先のビル管理の事務所ですが、毎日そこに来てもらい、会っています。

ルリの頑張りもあると思いますが出会って約一年、学業には影響させていません。むしろ成績は上がっていると思いますが…」

「一年にもなるの…私は何も知らないまま…
でもやけに図書館で勉強するって…ハルトさんと会ってたのね。」

「お母さん、黙っててごめんなさい。
でもね、言えなかったの…
お母さんがワタシの為に一生懸命働いているのに、ワタシだけうつつをぬかしてるなんて…」

「それは…」

言いよどむルリの母親の態度に、俺は以前感じた思い、匂いのようなものを嗅いだ。

今日はこれ以上話しても混乱させるだけだし、ある程度の手応えがある。

俺の勘が外れることはないだろう。

「堅苦しい話も疲れますでしょう。ケーキでもいかがですか?」

「そ、そう、ハルトが美味しいケーキ屋さんを見つけてくれたの…」


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