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***堕散る(おちる)***
第27章 step27 二十一段目…初夏
「最初は本当に仕事だったんだと思うわ。
でも早く帰ってきて欲しくて、
遅く帰ってきたり、飲んで帰ってくると詰ってしまい。
そんな私に嫌気が差したのかもしれないわね。
仕事でなくても飲んで帰ってきたり、帰って来ない日があったり…
同じ会社だったから、お母さんの同期が教えてくれたのよ。
またお父さんが指導係をしている若い娘と、いい仲になっているって噂があるって…
私は意地を張ってしまったの…
お父さんが帰りたくなるような家庭にして、素直に帰って来て欲しいって言えば良かったのに、
あなたが幼稚園に行ってる間のパートの仕事を探して、いつ別れを告げられてもいいように準備を始めたわ。
どんどん溝が深まり、私から別れて欲しいと告げたのよ。
お父さんしか知らなかったのに、そのお父さんが信じられなくなってね。
実際に浮気していたのか、別れたあとどうなったのかもわからないわ。
意地を張り続けたから…
だからね。恋したら何も見えなくなってしまう。
相手のことすら…
あなたには、それで後悔して欲しくないのよ。」