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***堕散る(おちる)***
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
コッ…コッ…
ん…もういらないの…
コッ…コッ…
触らないで…
ん…はっ…
目覚めるとぴよちゃんがお腹に乗って足踏みしていた。
ガバッと起きて、裸だったらと慌てて体を隠したけど、ここで着替えたワンピースを着ていた。
「ぴよちゃん…ハルトは?」
コッ…コッ…
ぴよちゃんは言葉が通じたのか、ベッドを飛び降りて部屋を出ていった。
ぴよちゃんは、親鳥よりは二周りくらい小さめだけと、もうひよこではない。
産毛が抜け始めて、羽が大きくなり中途半端な成長過程だ。
そして、多少の段差なら昇り降り出来るようになり、自由に部屋を闊歩するようになった。
つい、ぴよちゃんについてきてしまった。
何も考えずにハルトのところへ…
ハルトはリビングのソファーに深く腰掛け珈琲を飲んでいた。
「ハルト…ごめんなさい。」
ワタシは改めて謝った。
「何に謝っているの?」
「え…、ハルトが来るまで1時間が待っていられなかったから…」
「俺は何て言ってあの部屋を出た?」
「堪えて…
見てるから…」
「そうだ。待てとは言っていない。
薬の効果に堪えて、これから起きることに堪えてと言ったんだ。」