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***堕散る(おちる)***
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
「いただきます。美味しい。」
「そうか、良かった。
明日、どこか出かける?」
ハルトから言い出すなんて珍しく思った。
一度家に入ったら、裸のままで出たがらないから…
「突然で思い付かないです。」
「高校生最後の夏休みだぞ?」
「えっ…、でも皆受験勉強してますよ。」
「おし、じゃあ俺にお任せだな。」
「はい、それでいいです。
それとこのあと公園に行きませんか?」
ハルトとブランコに乗りたかった。
「おし、ぴよちゃんのお散歩も兼ねるか。」
コッ…コッ…
名前を呼ばれてぴよちゃんが返事する。
ハルトはチノパンとTシャツ、ワタシもハルトのTシャツにハーフパンツを借りて外に出る。
「ぴよちゃん、ゲージに入れなくて大丈夫なんですか?」
「ああ、ちゃんとついてくるし、たまに公園には散歩に行ってるから慣れてる。」
ぴよちゃんはちゃんとハルトの後をついてくる。
ひよこだった時は転がりそうになりながらついてきたけど、今は余裕だ。
エレベーターに乗り、エントランスを出るのも慣れた感じでハルトより先に進むこともあった。
「猫に食われんぞ。」
ハルトに言われて戻るのだ。