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***堕散る(おちる)***
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
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「ちょっとお茶でも飲みながら話しましょうか。」
ハルトと別れて自宅に着くと、すぐに母に呼び止められた。
「う…ん…」
別に仲が悪いわけではない。ハルトと一緒にいるようになってから、何となく気まずくて避けていたところはあるけれど、
母はワタシの為に忙しくしているからなかなか時間が取れないのだ。
「そうね、どこから話したらよいかしら…
今、お母さんお付き合いしている人がいるの、
あなたが中学に入って、今の仕事になったでしょう。
そこで知り合った人…
彼から一生懸命声をかけられて、ルリが高校生になった時にお返事して、お付き合いを始めたの。
プロポーズされているけど、ルリが独り立ちするまでとずっと待っていてもらってるの。」
「その人と結婚するの?」
「それはわからないわ。
ルリが何らかの形で独り立ちするなんてずっと先のことだと思ってたから、
何も考えていなかったもの。」
「でもワタシは就職するよ。そしてハルトと一緒にいる。」
「そうね、そんな話になっていると、この前、ルリたちに見られた時に話したの。」