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***堕散る(おちる)***
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
「それで、どんな話になったの?」
「そうね。彼は、あなたとも一緒に過ごしたいと元々言ってたんだけど、
私が、もう家庭環境を変えたくないと言っているものだから…
私やあなたの気持ちを大事にしたいから…
まだまだ待つよって…」
「ふうん…」
「だけど、その事であなたの考えや人生を変える必要はないのよ。
そう思ってたから、隠そうとしてた。ごめんなさいね。」
「うん…
今、すぐはわからないけど、ワタシその人に会ってみたい。」
「そ、そうね。そのうちね。会ってもいいと思ったら言ってね。」
「うん…そのときハルトも一緒でいい?」
「そうね、いいわよ。1人じゃ気まずいものね。」
「お母さん…」
「なぁに?」
「その人とのこと、ワタシに遠慮しなくていいからね。」
「えっ…」
「だから、お母さんは自分の気持ちに正直になって」
「えっ…あ…うん…わかったわ…
これからはあなたに隠したりしないから、
あなたも何でも話してね。」
「うん。」
ハルトがきっかけをくれて、母のことを知ることができた。
母だって幸せになっていいのだ。幸せになって欲しいと思った。