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***堕散る(おちる)***
第29章 step29 二十三段目…再びの秋…実りのとき

玄関まで香るカレーの匂いに思わず腹がなる。
ぴよちゃんも呼ばれて返事をした。

ゲージから出して、足元に新聞を敷かれてキャベツをもらいコッ…コッ…と喜びながら啄み始めた。

「じゃあ「乾杯〜」」


母はビールが飲めることが嬉しかったのかもしれない。

「すみませんです。遅くなったうえにご馳走になってしまい。」

「何かあったのかしら?」

「いえ、睡眠不足で昼寝して寝過ごしてしまって…」

「あはは…ハルトさんでもそんなことがあるのね。」

「お恥ずかしい。」

「それとね。就職のことは、もう決めてもいいと思うの、ただルリは学校の勉強は今まで通り頑張ってね。」

「はい、ありがとうお母さん。」

「許可するまでが親の務め、そこからは自分で選んで、選んだ責任を取らなきゃいけないことを学んでね。」

「はい、わかりました。」

コォッ…コォッ…

「あら、ぴよちゃんまで返事して…

それとね。就職して研修後も、たまにはこうやって食事でもしましょう。」

「はい。」


母からお許しが出てホッとした。

母は、どうせなら泊まっていくよう勧めたけど、ハルトはさすがにそれはと断って帰っていった。

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