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***堕散る(おちる)***
第30章 step30 二十四段目…入社式…1階
「食べなくていい。俺に食べさせて…」
「ワタシ汚いから…」
表面的な意味合いだけでなく言ったと思うが無視して、
「この部屋に来たときに風呂には入れてある。
腹減ったから食べさせて?」
言えば頷いて寿司を取った。
ルリが取ったものと同じものを手に取る。
口を開けて待つと、少し戸惑いながらも食べさせてくれた。
俺もルリの口元に差し出すと、一度キュッと唇を結んだが、口を開く。
「最初のころ事務所でこうやって食べさせ合ったね。」
ルリは小さく頷き、次のネタを取る。
「あの時は途中からハルトが勝手に1人で選んでた。」
また同じものを口に運ぶとルリは迷わず食べた。
「今日は最後までこうやって食べさせるから、ルリも食べさせて?」
モグモグと口を動かしながら頷いた。
本当は沢山話したいこと、聞きたいことがありそうだが、黙ったまま互いに食べさせ合った。
吸い物の椀を見せると自分で受け取り飲み始める。
「これは難しいから…」
自分の椀を取ると少し笑っていた。
「ご馳走さまでした。」
「さて、風呂に入るぞ。」