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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「キノコを削ってるんですか。」
「そうだ。独特な香りを楽しむんだ。フォアグラとともに、世界三大珍味の一つ、とても高級なんだそうだ。」
「じゃあ、3つのうちの2つがこのお皿に乗ってるんですね。」
「そうなるな。」
「とても美味しいです。」
高価だからもったいないと遠慮することはないのだと、先ほどのウサギの話から思った。
「トリュフの探しかたが面白いんだ。
そもそもトリュフは地面に埋もれていて見つけるのが難しい。
メスの豚がその匂いを嗅ぎ分けることが出来る。
だから、豚を放って地面を掘り返すところを掘るんだ。そうしないと食われてしまうからな。」
「メスだけなんて面白いですね。メス豚はグルメなんですね。」
「あっはっは、グルメじゃないよ。豚が高級食材だと知ってて食べるわけがないだろう。」
「じゃあ何で、メス豚だけなんですか?」
「何でだと思う?」
「オスには探せないんですよね。」
「そうだ、いいところに気がついたな。」
王様はニヤニヤ笑うがそれ以上ヒントはくれなかった。
「降参です。教えてください。」