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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「穢らわしい。もういい下がれ。わかったな、このお嬢さんには近づくな。この距離以上。」
男との距離は2メートルほど、
「それを教えるため、お前が危険な男と知らしめるために会わせただけだ。
わかったら下がれ。」
男は『へい。』とにやけた顔で返事して歩いていく。
でも時折振り向いてはイヤらしい笑みを浮かべていた。
「この奥にあいつの小屋がある。きちんと生活できる全てを揃えてあるのに、風呂すら入っていないようだ。
だから、これ以上、森の奥に行ってはいけないよ。」
王様が指差した木々の枝に黄色いリボンが結びつけられていた。
「嫌な思いをさせて済まなかったね。」
王様が手を差し伸べる。ワタシはそれを取って、また歩き始めた。
「そうだ、まだ春はもう少し先だから、温室を案内しようね。」
王様が言う先には、噴水とガラス張りの温室があった。
中に入るとチューリップの蕾が今にも綻びそうに並んでいた。
「素敵…」
「明後日頃には開きそうだな。」
その後、イングリッシュガーデンを見る。
まだ蕾すら持っていない薔薇がアーチを伝い、色々に配置されている。