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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「お茶のお支度ができました。」
「入れ。」
昼食とは別のメイドが入ってきた。まさか、食事ごとに違う人が担当するのだろうか…
それに王様の動向を皆さんどうやって知るのだろうか。
不思議で、贅沢な生活ぶりにワタシは驚くばかりだった。
「下がってよい。」
「失礼しました。」
メイドが部屋を出ていく。
「まだ緊張しているな。メイドにも気を使っている。気にならなくなるまで、食事時は他のものは部屋に入れないことにした。」
横暴な王様だと勝手に想像していたけど、とても細やかに気遣いできる人なのだと感心した。
「スコーンは食べたことがあるか?」
「はい、お店で何度か…」
「まずは何もつけずに、あとは、マーマレードやブルーベリーのジャムをつけて食べるのがお勧めだぞ。」
「はい、いただきます。バターの甘い香りがしてとても美味しいです。」
「気に入ったようで何よりだ。」
王様には何も足りないものはない。ワタシは王様に何をすればいいのだろう。
昨日までの研修を思えば、性的なことを強要される覚悟でいたけど、王様は何を求めているのだろう。
でも自分からは聞けなかった。