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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
コンコン…
「失礼します。」
「ああ。」
「食器を下げに参りました。」
「頼む。それと3人呼んでくれ。」
「かしこまりました。」
メイドが下がってから不思議に思ったことを聞いてみた。
「皆さん、どうやって、玄関に入るタイミング、お茶を出す、下げるタイミングを知るのですか?
もしかして、カメラか何かで見てるんですか?」
「そんなことあるわけないだろう。俺が監視されてるってことになるじゃないか。」
「あっ、そうですね。」
「面白いな君は、」
「そうですか?でもどうしてわかるんでしょう。」
「勘と経験だよ。
例えばノックして『未だだ』と言われれば待つ。
遅かったと言われれば早める。そうやって俺のペースを測っているだけだ。
それを統括するのが執事長と婦長の務め。」
王様が本棚から本を取り出す。
会話に関連する本だと思ったら薔薇の本だった。
「暇になるだろうから、これでも見ていなさい。」
また、薔薇の写真や絵ばかりの本。
そして説明書きもなかった。
コンコン…
「今、よろしいでしょうか。」
「ああ、待っていたよ。入りなさい。」