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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
王様がどうやって欲を納めたのか、女性たちはどうやって部屋を出て行ったのかわからなかった。
そして王様にはハルトと共通点がある。この部屋には時計がない。
だから、どのくらい寝ていたのか検討も付かなかった。
「ベッドで寝てくるといい。」
王様に声かけられる。
いけない、また考え事をして返事を…
「だ、大丈夫です。」
「そうか、ならばもう少し待っていろ。」
コンコン…
「お風呂の用意が出来ました。」
「入れ。」
メイドが3人入ってくる。バスタオルを持っていた。
「シャワーを浴びるだけだ。ほんの少しだ。」
ワタシは寂しそうな顔をしていたのだろうか。
王様がワタシの頭を幼子にするようにポンポンと叩いた。
「ん?なんなら、一緒に入るか?」
「いえ、大丈夫です。待っています。」
自分の裸を見られるのは恥ずかしい。そう答えた。
恥ずかしいと思う。
つまりは恥ずかしくなければ一緒に入る気があったということ?
初日なのに王様との垣根、隔たりを全く取り払っている自分がいた。
やはり湯編みに付き添うメイドも専任なのだろう。
王様はほどなくバスルームから出てきた。