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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

コンコン…
「入れ。」
「あの…ドアを開けてください。」
王様はワタシがお盆に3つも乗せているのを見て不思議そうにしていた。
「花は一輪しかないが?」
「明日、明後日と増えていくんです。」
「花だらけになるな…」
「お花嫌いですか?」
「いや、別に嫌いではないが…
まあ好きにして楽しめばいい。
明るくなれば、寂しくて泣くこともなくなるだろう。」
「あ、はい。もう泣きません。」
あははっ…
ワタシは花瓶をひとつ選んで、早速出窓に飾った。
コンコン…
「朝食の支度が整いました。」
「入れ。」
テーブルにセッティングしながら、メイドがチューリップを見て笑顔になっていた。
王様との食事も、沢山のカトラリーの扱いも、だいぶ慣れてきた。
「ビリヤードの特訓にもなるから、食べたらアーチェリーをやってみようか。」
「はい、教えてください。」
王様は多趣味のようだ。
「簡単に出来るんでしょうか…」
「いや、難しいだろうな。だから特訓だ。」
また呆れられてしまうんじゃないだろうか…
でもなんだか王様は楽しそうだった。

