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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

「それで矢先と視線と的を一直線に結んで狙いを定めるんだ。」
自分なりに一直線にして手を離す。
「飛んだ、飛びましたよ?」
「的を狙う競技なんだがな。」
的から全然外れてしまったけど、ビュンと手から離れて飛び立つ感覚が爽快だった。
王様の二人羽織りも慣れてきた。
何度か引くのを手伝ってもらい練習した。
「この真っ直ぐ引く動作とそのまま離すように戻す動作がキューの扱いに通ずると思ったんだがな…」
「もう一度1人でやらせてください。」
「ああ。」
王様に手伝ってもらって少しは感覚を掴めたと思った。
矢をもらい一気に引く、狙いを定めるのがやっとで、溜められないまま離してしまった。
でも、距離は出なかったけど真っ直ぐ飛んだ。
「真っ直ぐ飛びましたよ?」
「そうだな、でも的に当てる競技なんだ。」
王様が笑いながら話す。
そしてワタシの肩を押して的に近づけた。
「これで届くだろう。本物の矢で狙ってごらん。」
尖った矢をもらい緊張する。
「さっきと同じようにやればいいんだよ。気負わずに。」
深呼吸をして矢をあてがい、弦を一気に引いて構える。一直線を意識して保った。

