この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「それと、また昼寝をするといい。また退屈になるだろうから…」
王様は、また女性を呼ぶのだろうか。そんなニュアンスで昼寝を勧められた。
確かにそれなら、端で見ているのは辛い。
お茶の時間を終えて、勧められた通りにベッドに入る。
王様が湯編みのメイドと共にバスルームに消えていく。ワタシはまたそこからの意識がなかった。
「そろそろ起きて散歩でもしようか。
また、夕飯が食べられなくなるぞ。」
王様に起こされるまで熟睡していて、王様が女性を呼んだかどうかもわからなかった。
庭に出るとちょうどチョコレートとスノーの食事の時間だった。
餌の人参を手渡しで食べさせるのをさせてもらった。
「チョコレート、人参だよ。」
声をかけて近付けると鼻先を寄せて匂いを嗅ぎ、長い舌が現れて巻き取るようにして口に運ぶ。
そのまま噛みつかれるかと思っていたので驚いた。
「スノーもどうぞ。」
スノーも同じように食べていく。王様は子供の頃散々あげたというので、人参が無くなるまで交互に食べさせた。
最初は大きな口に少し怖かったけど、馬の大きな瞳が優しいものだと気づいた。