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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

「入れ。」

執事長と婦長が入ってきた。

「少し止まってていただけますか?」

婦長の言葉に王様が引いたまま止まる。
器官を塞ぐ存在に鼻で呼吸し、舌を細かく動かして愛撫した。

婦長は股間に踞るワタシの髪をとかし始める。左右に分けられ、高い位置で縛りお団子を作ったようだ。

「いかがですか?耳が生えて犬らしくなったのでは?」

「そうだな、顔がはっきりして可愛らしい犬になったな。

色白だから、ユキと名付けよう。
この犬の名前はユキだ。周知しておくように、俺がユキという犬をペットにしたことを…」

「かしこまりました。ユキですね。」

こうしてワタシはユキとなった。
王様をくわえたまま、返事も拒否も出来ずに勝手に名付けられたのだ。

『人間は呼ばなくても会話で理解できるだろう。動物は名前を呼んでやらないと…』

王様がスノーやチョコレートを呼んだ時に言っていた。
ワタシは王様に本当の名前を呼ばれないままユキとなった。

「支度が整いました。」

髪を結う間に執事長がテーブルセッティングを終えたようだ。
王様の席にはお皿がドームを開けて並べられていた。

ワタシの席にはドームが2つ。


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