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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

誰かかお湯が足りないと言って蛇口を捻り、そのジャグジーのスイッチを入れる。

ボコボコと水面が波立ち、鼻まで上がるようになる。
息が出来ずに頭を出そうと風呂底から手を離すと、

「しっかり浸かってくださいな。」

肩を押して中に戻された。


ゴホッ…ゲホゲホッ…だ、だすけてぇ…たすけてぇ…

水を飲んで苦しくなり叫ぶ。

バァン…

浴室のドアが勢いよく開いて、

パチン…パチン…パチン…

何かがぶつかる音がした後、ワタシは湯船から抱え上げられた。

「俺のペットをいたぶることなど許可していない。」

息が整い辺りを見渡すと、ワタシは王様に抱き上げられて、床には頬に手形のついたメイド達が倒れていた。

「お前達はクビだ。」

王様は一喝してバスルームを出る。

デスクから電話を架けて、何も言わずに受話器を置く。
そして、ベッドに腰掛けて抱き締められた。

コンコン…

電話の相手は婦長だったようで、息堰切って走ってきたらしい。

「今、浴室にいる3人はクビだ。精算してすぐ屋敷から追い出すように…」

婦長は黙ったまま頭を下げ、バスルームにいた3人を呼んだ。

3人は頬を押さえながら会釈したまま部屋を出た。
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