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***堕散る(おちる)***
第33章 step33 二十七段目 B3階 犬になって
あぁっ…ユキか…おはよう…
ユキがチョコレートにイカされて失神し、その日は1日そのまま眠っていた。
腹が減って、ご馳走の匂いがすれば目覚めるだろうと思ったが、起きないのでそのまま寝かせた。
朝、当たり前のようにユキは口奉仕をして俺を起こす。
懸命に日々工夫をして俺を起こすので、目覚めは快適だった。
吐精を飲むとユキはベッドから降りて、自分の寝床に戻る。
一緒に風呂に入るか訊くと、ついてくる時もあれば来ない時もある。
ユキはもう喋らない。そしてユキへの言葉かけも簡易なものにしていく。
難しい長い話は理解していないように思えるからだ。
俺もユキの意志を確認するような問いかけはしない。
大抵無言で俺についてくれば用は足りるからだ。
コンコン…
「朝食の支度が整いました。」
ユキは起き上がってソファーに向かう。
部屋に誰かがくると食事の確率が高いからだ。
「ユキ様も今日もご機嫌のようですね。」
「そうだな、体調は悪くはないようだ。」
俺と執事やメイドとの会話にも興味を示さない。
ユキは本当に犬に成れたのだ。
俺の食事の配膳が終わるまでユキのフードカバーは外さない。