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***堕散る(おちる)***
第33章 step33 二十七段目 B3階 犬になって

ユキが硬直し飛沫が上がるが、それでも止めるつもりはないらしい。

アググッ…ンンン…

ズズン…

強く打ち込みようやく執事長が達したようだ。

「気を失ってしまったようですね。」

執事長はユキを寝床に下ろし、汚れを拭いて部屋を出ていった。

ユキはこうやって、欲情すれば抱かれ、誰かが欲情すればまた抱かれと、
皆が好きな時に抱かれる犬となった。


「サウナに行くぞ。」

ワン…

ユキはサウナにいくのも好きだ。

喜んでついてきて、バスタオルに伏せる。

今まで通りテレビをつけて時を過ごすのだが、
チャップリンの喜劇には反応しなくなってきた。

思考回路も簡素になっているのだろう。

動物のアニメには反応して笑うが、笑みを浮かべるだけで、笑い声は立てない。

そして、本当に犬になってしまったのだろう。
犬の生態のビデオはよく見ている。

だから新しいものを流してみた。

ウウゥ…

最初は怪訝そうにして、視線を反らしていたが、そのシーンばかりだとわかったのか、画面を見始める。

そして、サウナにいるのを忘れてしまったかのように、じっと見ていた。

「ユキ、ミストにいくよ。」
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