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***堕散る(おちる)***
第35章 step35 二十九段目 0ポイント

「なんだ、わかってるんじゃない。じゃあ待つしかないわ。それに私に出来ることもここまで、

一応あの娘には私の連絡先を教えておいたわ。」

「ありがとう。」

「貴方に感謝されるなんて気持ち悪いわ。
じゃあ、そろそろ準備もあるし、あの娘待ってるわよ。」

「済まないな、邪魔して…」

「いいえ、会社が機能しなくなったら、ここも危うくなるから、自分の為に動いただけよ。
今度は飲めるようにして一緒に来てね。」

「ああ、ルリが良くなったらな。」

俺は、ルリが待つ部屋に向かった。後ろからエミが付いてきて、

「じゃあね、ルリちゃんとオージサマ。」

「王子様?なんだそれ?」

ルリが慌ててエミに近づきエミの口を塞ぐ。

「ダメ…エミさん。」

「あら、間違えたわ。オーオジサマとルリ姫。じゃあ仕事に戻るわ。」

「大おじ様って俺のことか?」

「さあね。」

はぐらかしたまま、エミは元の部屋に戻っていく。
ルリはなんだか慌てていた。



***************************


「あんな…何も持っていない娘に…負けちゃうなんてね。」

私は自分の部屋に戻り、恒(ワタル)のお気に入りのバーボンを開けた。



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