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***堕散る(おちる)***
第35章 step35 二十九段目 0ポイント
「なんだ、わかってるんじゃない。じゃあ待つしかないわ。それに私に出来ることもここまで、
一応あの娘には私の連絡先を教えておいたわ。」
「ありがとう。」
「貴方に感謝されるなんて気持ち悪いわ。
じゃあ、そろそろ準備もあるし、あの娘待ってるわよ。」
「済まないな、邪魔して…」
「いいえ、会社が機能しなくなったら、ここも危うくなるから、自分の為に動いただけよ。
今度は飲めるようにして一緒に来てね。」
「ああ、ルリが良くなったらな。」
俺は、ルリが待つ部屋に向かった。後ろからエミが付いてきて、
「じゃあね、ルリちゃんとオージサマ。」
「王子様?なんだそれ?」
ルリが慌ててエミに近づきエミの口を塞ぐ。
「ダメ…エミさん。」
「あら、間違えたわ。オーオジサマとルリ姫。じゃあ仕事に戻るわ。」
「大おじ様って俺のことか?」
「さあね。」
はぐらかしたまま、エミは元の部屋に戻っていく。
ルリはなんだか慌てていた。
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「あんな…何も持っていない娘に…負けちゃうなんてね。」
私は自分の部屋に戻り、恒(ワタル)のお気に入りのバーボンを開けた。