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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
右京との記憶だけが戻ったら、ルリはまた苦しむのではないだろうか…
それが気掛かりだった。
「ほんと常夏だな…
かき氷食べたくなる。」
「そ、そうですね…
餃子はもう居なくなりました?」
「ああ…」
かき氷をパラソルの下で食べ、しばらく泳いで遊んだ。
「夕飯はね、ショーを見ながらのディナーだよ。」
昔からフラダンスのショーは有名だったらしいが、改名後、更に復興を踏まえてのショーらしい。
こんなにのんびりしたスケジュールは今日だけなので、酒を呑みながらのショーを楽しむことにした。
スイートルームを取ったので、自動的に最前列の中央のテーブルとなり、ウェイターが飲み物を持ってきた。
「「乾杯」」
ちょうどその時ステージが暗転した。音楽が流れて徐々にステージが明るくなり、袖から列を成してダンサーが現れた。
ハイビスカスをあちこちにつけたダンサー達が踊り出す。
南国ののんびりした音楽に包まれていった。
ウェイターが静かにやって来てオードブルを置いていった。
室内は薄暗く、各テーブルごとに間接照明が置かれて、舞台照明が華やかだった。
ルリがこめかみを押さえて俯いた。