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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
「今日はここで遊ぶのも兼ねてるから…」
「は、はい。」
ルリはスイートを取っていることに緊張していた。
「まずはプールで遊ぶぞ?」
クローゼットから水着を選ばせる。といってもビキニにパーカーしか頼んでないのだが、ルリは狙った通り桜色のビキニを選ぶ。
まぁ、そうなるように他のものはデザインや柄が際どいものばかりにしてあるのだが…
ルリはパーカーのファスナーをピッチリ閉めていた。
「ルリ、せっかくのビキニが全く見えないよ?」
「え…」
じっと見れば渋々ファスナーを開けていった。
「うん、可愛いね。」
こうしてプールに繰り出した。
波のあるものやら、スライダーなどを楽しんだ。
「ハルト、以前にこんな風にプールかお風呂で遊んだことありますか?」
「いや、俺とはないな。」
「そう…ですか…」
ルリの記憶がちらほら垣間見えることがある。
きっと右京の屋敷の豪勢な風呂やサウナの記憶ではないだろうか…
きっと精神状態が安定してきて、記憶を覆っていたものが薄くなってきているのだろう。
フラッシュバックが頻発しているように思う。
だが、右京との記憶というのが悔やまれる。