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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
何が起きても何回もやり直して、ルリと一緒にいるから…」
今のハルトすら忘れてしまったら…
そんなことなら記憶なんてなくていい。
「ハルト…」
「ん?」
「ハルトのこと、忘れてる部分があるけど…
また全部忘れてしまうなんて嫌です。」
「ああ…でもこればっかりはわからない…」
「多分、記憶がない間も、ハルトのこと好きだったんだと思うんです。
そして、今も好きです。
面倒を見てもらったからとかでなくて…
ワタシ、ハルトのこと好きです。
もし、またハルトのことを忘れてしまっても…
一緒にいてください。
そうしたら、また、もう一度ハルトのことを好きになりますから…」
「ルリ、大丈夫だ。例えルリが嫌がっても、俺はルリと一緒にいる。そして、ルリが全て思い出せるまで、また努力するよ。」
「ありがとうございます。」
ルリに告白された。
『俺も好きだ』と返せばいいのかもしれないが、
その感情を知らないのに、安易にルリの告白に乗せて返答すべきじゃない。
ルリ…お前のことが一番大事だ。
でも愛や恋など俺にはわからないんだよ。