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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
ルトッ…ハルト?…
っやめっ…
ハルト…大丈夫?
ッハッ………夢か…
「ハルト…大丈夫?」
「っあぁ…昔の夢を見てた。女に襲われる夢…
こんな夢見るなんて…久しぶりだ。」
「汗びっしょり、ちょっと待っててくださいね。」
ルリが居なくなり、タオルを絞って持ってきて、額を拭ってくれた。
「凄くうなされてました。」
「ああ、昔の嫌なことを夢で見た。」
忘れかけていたこと、初めて父親と母親の乱交部屋に呼ばれた日の夢を記憶より鮮明に見た。
「ルリ…俺も一部記憶がない部分があるんだ。」
「は…ぃ…ハルト、辛いことは話さなくていいですよ。」
ルリがタオルを片付けて戻ってきて、俺に寄り添ってきた。
何も言わずに俺の背中に手を回してトントンと叩いてくれた。
何か言わなきゃと思っていたのに、そのまま眠りについていった。
「おはよう、ルリ…」
「っハルト…おはようございます。もう嫌な夢は見ませんでしたか?」
「あ、ああ…よく眠れた。」
ルリに夢の内容を細かく話すべきか迷ったが、汗を流したらよいと勧められ、風呂に向かった。
「ハルト、今日はどこを目指すんでしょう。」